2014年1月3日金曜日

1月3日の朝日新聞の1面トップは・・・

  
 元旦の新聞を見れば、その新聞の「一年」が分かるとおととい書いたが、2日の新聞休刊日をはさんだ1月2日の紙面もその新聞のありようをさぐる上で重要だ。「正月モード」の色が濃い、元日と違って、「ふだんの日モード」に近いなかで「その新聞がこれから力を入れるテーマ」が反映されるからだ。

 朝日新聞の一面トップは元日に続き、「教育2014 世界は 日本は」の第2回目で
『格差を超える』。

 大見出しは「暮しのせいにしない」とあり、「学校を拠点に立ち向かう」という中見出しも。
 大阪府茨木市立郡山小学校で貧困家庭の子どもが多いなかで、校長以下、教職員が総掛かりで子どもの学習指導を続けた結果、成績が伸びたというエピソードを伝えている。

 単に勉強を教える体制を充実させただけでなく、「朝ご飯を食べたか」などの生活もチェックするようにした。

 校長が「一人の子どもも切り捨てたくないと、あの手この手で励ます続けた結果」だという。
 2面では、大見出しが「断つ 貧困の連鎖」とあり、「1ドル投資 7ドルリターン」というアメリカでの貧困家庭向けの幼稚園の充実やドイツでの移民家庭の子ども向けの幼稚園教育が紹介される。合わせて日本の就学前教育機関への公的支出はOECDshokoku de
最低レベルだという情報も伝える。

 イギリスでも民間の力を使った「公設民営校」が貧困地区の学校再生に大きく貢献した取り組みが紹介される。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140103-00000001-asahik-soci


 良い話だし、良いテーマだ。私自身も「貧困の連鎖を断つ」「子どもの貧困を解決しよう」とする取り組みを取材して報道してきた人間だ。
 子どもの貧困を解決して社会を夢のある「より良いもの」にしていこうというのテーマ設定は好感が持てる。

 ただ、記事そのものが迫力がない。人間の体温が伝わってこないのだ。
「紹介」に終わってしまって、感情や思いが伝わって来ないのだ。

 おそらく、学校を運営する学校長や自治体側の目線で記事を書いているからだろう。

 実際にそこに通う子どもたちや保護者たち、あるいは一線の教師たちの姿が見えないせいだろう。
 そういう意味では貧困を伝えるジャーナリズムとは、どのように伝えるべきかという伝え手の「腕」にもかかわってくる。

 そういう意味では、ちょっと残念な記事だ。記事を書く人、記事をチェックする人はもう少し頑張ってほしい。