正月の新聞各紙の1面は、だいたいその新聞がその年、力を入れるテーマが凝縮されることが多い。
そう思って注目していたら、東京新聞の1月1日。
「東電 海外に200億円蓄財」「公的支援1兆円 裏で税逃れ」「免税国オランダ活用」の見出し。
東電が海外の発電事業に投資して得た利益を、日本で納税していない状態であることをスクープした。違法ではないけれども、公的資金を注入されている企業としてのモラルが問われる問題だ。
同じ1面には「浜岡増設同意 地元に53億円 中部電ひそかに寄付 80年代」という見出しもある。
これは中部電力が浜岡原発3、4号機の同意を地元自治体の旧浜岡町から増設の得た80年代に、公表していた寄付金36億円の他に、53億円を支払う契約を町と結んでいたというスクープだ。秘密扱いの文書を東京新聞が入手し、当時の町長らの証言を得たという。
この2つのスクープとも見事な「調査報道」だ。
東京新聞は2014年も役所が発表する「発表報道」に頼らず、独自に調査していく「調査報道」に力を入れていく、というメッセージになっている。
特に「原発報道」に力を入れていくというメッセージでもある。
東京新聞には今年も期待できる。
他の新聞各紙(特に全国紙)は、言っちゃあなんだが、どうでも良いようなことを大きく一面トップにしている。朝日新聞など、「めざす 世界の1% 済州島に英語都市」という見出し。2014年。少子高齢化が進む日本で、政府が英語教育に力を入れようypするなかで、先進の国や地域ではこうやっているよというルポだ。
みんなが英語を話せるグローバル人材が必要という路線の中でのルポだ。
これが朝日新聞が今年、力を入れていくメッセージというわけだ。
こちらはちょっと悲しくなる。どこかの紙面に載せても良いけれど、これが元日の1面トップか。